死が急に迫った人の遺言
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危急時遺言をご存じですか
民法第967条には、遺言の方式として、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならないと定められています。しかし、特別な方式によることを許される場合があります。
急激に容態が悪化してしまうと、自筆証書や公正証書を作成することができなくなっていまいます。このようなときの方式として民法第976条に『死亡の危急に迫った者の遺言』(危急時遺言)が定められていますので、紹介します。
危急時遺言の方式
証人三人以上の立ち会いのもとに、その一人に遺言者が遺言の趣旨を話して教えます。
遺言を聞いた証人は、それを筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせます。
各証人は、その筆記が正確なことを承認した後、署名、押印します。
押印は、実印でなくても良いことになっています。
遺言書の確認の審判の申立て
遺言書の確認を家庭裁判所へ請求するため、遺言の確認審判申立書を、遺言の日から20日以内に、証人の一人又は利害関係人が提出する必要があります。
添付書類として、申立人の戸籍謄本、遺言者の戸籍謄本、証人の住民票、遺言書の写しを添付します。
遺言書の検認
遺言書の確認は、遺言書に記載された遺言が、遺言者の真意に出たものであることを確認するものであり、別途、検証手続が必要となります。
検認の審判は、遺言書の偽造、変造を防止するための検証手続きとなります。
添付書類として、遺言者の出生時から死亡時までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、死亡している方がいる場合、出生時から死亡時までの戸籍謄本など。